キビるコラム!第六弾「稽古中に稽古場の壁を叩き割った、伝説」
キビるコラム!第六弾は北九州の劇団「飛ぶ劇場」の代表、泊篤志さんに、北海道の「柴田智之一人芝居」について書いていただきました。
飛ぶ劇場、代表で作・演出をやっている泊篤志といいます。
柴田くんとは…札幌でまずリーディング公演をやった時に出演してもらったのが初めてで、その後、飛ぶ劇場の公演で札幌に行った時に現地ゲストで出演してもらったりしています。
最初に会った時は武士のような人だなと思いました。何か内に秘めたものがあって、有事の際はスッと刀を抜きそうな。会う前に「稽古中に稽古場の壁を叩き割った」とか伝説も聞いてたので、最初はちょっと怖いイメージでしたね。
でも本人はとてもお茶目な人で。出演してもらった時も、頼んで無いのに勝手にカツラを被って演じはじめたり、オモロイ俳優さんでした。真剣に役作りを考えて、出てくるものがだいぶ振り切ったような芝居になっているので演出してて楽しかったです。
作品はやっと今回、映像ですけど見せてもらって。そういう彼のイメージのまんまですね。めちゃくちゃ面白かった。いや、引き込まれたと言った方がいいかな。
前半は饒舌に喋る愉快な彼のイメージ。ところが後半一転し、ほぼ台詞の無い身体表現になってくるんです。この後半のパフォーマーとしての柴田くんこそ彼の真骨頂だと思います。そして最後に温かい気持ちになれるという、彼の人となりがそのまま舞台になったかの様でした。生きて生活している人だったら誰にでもおすすめしたいです。
彼は「生活と共にある表現」みたいな事を標榜しているような気がするんです。生活者の目線というか。地に足をつけて生きている人が、自分の生活の中から生まれた気持ち、怒りや不満、悲しみや喜び、そういったものを独りで演じ切る。
その生き様みたいものを観て欲しいですね。
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